内科学第三講座は1971年に開講し、呼吸器・肝臓・腎臓・脂質を専門領域に診療と研究に携わってきましたが、近年の高まる専門性への要求から現在は呼吸器疾患と腫瘍に特化し県下の診療の中心として、また医学教育・医学研究に大きく貢献しています。当講座では呼吸器学会、呼吸器内視鏡学会、アレルギー学会、臨床腫瘍学会に所属する指導医・専門医を揃え、呼吸器疾患全般、および多岐にわたる腫瘍に対する最新の診断や治療を行うとともに専門医育成や基礎研究・臨床研究に力を注いでいます。
呼吸器診療は、以前より我々が注力しております喘息・COPDはもちろんながら、肺炎などの感染症、呼吸不全などの急性期診療と幅広い疾患を扱うことが特徴です。地域の呼吸器診療の中核を担う組織として、幅広い疾患に対応できるよう診療体制を整え、人材育成に励んでおります。他にも近年抗線維化薬の開発、適応拡大によって治療選択肢が広がった間質性肺炎診療にも力を入れており、2021年6月には間質性肺炎の専門外来も設立しており、地域の患者さんの紹介を多数いただくと同時に、研究面でも若手が精力的に活動しております。
腫瘍に対する診療としては、肺癌を中心に多数の治験、臨床研究、基礎研究を行っており、和歌山にいながら最新の標準治療、さらにはその一歩先の治療も含めた選択肢を患者さんに提示できると自負しております。またがんゲノム医療元年と称された2019年には、これからの癌診療に欠かすことのできない遺伝子パネル検査が保険償還され、日常臨床に大きな変化をもたらしました。我々としても腫瘍センターがんゲノム医療部門を中心に、がんゲノム連携拠点病院として和歌山でのがんゲノム診療の普及に貢献しております。
医局の体制としては山本信之教授を筆頭に、各医局員は呼吸器グループ、腫瘍グループのいずれかに属しそれぞれのテーマに沿った研究活動を行っています。ただし入院診療においてはこれらの垣根をこえたチーム主治医制をとっており、助教(または講師)、学内助教(または助教)、初期研修医からなる診療チームが入院患者の担当となり、幅広い疾患に対して診療を行うと同時に、医学教育を行っております。
また病院診療科・中央部門の腫瘍センターの外来化学療法センターや、がんゲノム医療部門にも医局員を輩出(兼任)し、診療科の垣根を超えて病院診療に対する貢献を果たしています。
さらには2021年には本学の紀三井寺キャンパスに次世代医療研究センターが竣工し、ゲノム医療や創薬研究の拠点となるバイオメディカルサイエンスセンターが設立されましたが、そちらにも医局員を輩出(兼任)しており、本学の先端医学研究に対しても貢献を果たしています。
