閉塞性肺疾患部門

研究グループ(閉塞性肺疾患領域)

 COPDと気管支喘息の研究を中心に行なっています。
 2015年のWHO統計によれば、COPDは心疾患、脳卒中、肺炎に続き世界で第4位の死亡原因です。しかし、病態生理の解明や治療法の開発に向けては、さらなる研究が必要な疾患です。COPD患者の特徴的な症状は体動時の呼吸困難ですが、“息切れ”を避けるため日常生活での活動量が少なくなります。身体活動性が低下することで、心疾患、糖尿病、うつ病などの併存疾患が増加し、“やせ”が進行します。悪液質に伴う全身状態の悪化は、増悪や死亡のリスクを高めることになります。
 我々の研究グループは、日常活動レベルの向上がCOPDの疾患予後を改善すると考え、臨床研究を進めています。具体的には、3軸加速度計を用いた客観的な身体活動性の評価法を確立し、日本人のCOPD患者で身体活動性が低下していることを検証しました。また、COPD患者の日常活動レベルを一般臨床で簡便に評価するスケールの開発にも取り組んでいます。さらに、薬物療法と呼吸リハビリテーションを組み合わせた積極的治療の有効性の検討などの臨床研究を行なっています。
 気管支喘息は気道の慢性炎症性疾患であることが明らかとなり、吸入ステロイド薬など抗炎症治療の普及によって死亡率は大きく低下しました。しかし、約70%の喘息患者ではコントロールが十分ではなく、日常的な喘息症状の出現や増悪が認められます。
 気道炎症と気道過敏性は喘息に特徴的な病態で主たる治療標的ですが、患者に負担なく、反復して評価することは困難でした。我々の研究グループは、気道過敏性検査に代用可能な過敏性の生理学的指標や、呼気凝縮液(安静換気時の呼気を冷却し採取したもの)や呼気一酸化窒素濃度を検体とする非侵襲的な気道炎症評価方法を、喘息の診断や治療に応用する研究を行なってきました。また、将来の増悪や呼吸機能の急速な低下をいかに予測し、抑止するかを重要なテーマと捉え、研究を進めています。

 これらのCOPDや喘息を対象とする臨床研究は、大学病院と関連基幹病院との共同で行われることが多いため、関連病院において豊富な臨床経験を積みながら、主たる研究者として研究に参加し、医学博士の学位取得を目指すことが可能です。



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